天然醸造で造る醤油

鳴門ICから約5.4km、昔ながらの天然醸造で造る醤油の蔵元、福寿醤油さんのご紹介です。昨年の晴海ヶ丘通信の取材・撮影の際にご協力いただきました。1826年創業の創業以来、伝統的な製法を頑なに守り続けている、お醤油とお味噌の醸造元です。一般的には諸味を発酵させる期間は4~5ヶ月ですが、福寿醤油さんでは1年以上かけて自然発酵させます。そのため量産はできませんが、お醤油本来の香りと深みのある旨味が人気です。福寿醤油

醤油の原料となる大豆と小麦は、粒が大きくて甘みのあるものを厳選しているそうです。蒸煮した大豆と、炒り砕いた小麦に、種麹(たねこうじ)を加えて、麹室(こうじむろ)へ盛り込みます。途中でかき混ぜる手入れ作業を行いながら、温度約25-32℃、湿度70%の状態で保ち4日後には醤油麹が完成。残念ながら湿度70%の麹室はカメラのレンズが曇るため撮影はできません。

発酵タンク次は仕込みです。完成した醤油麹に食塩水を混ぜて、上の写真の発酵タンクに仕込みます。工場の天井の太い梁に歴史を感じます。福寿醤油さんでは、このタンクで発酵に1年以上の時間をかけます。そのため熟成された諸味が生まれるのだそうです。

100年前の木樽100年前の木樽歴史の重みを感じさせる木樽は、100年の時を経ていまだ現役です。

大谷焼の醤油甕上の写真は昔、各家庭への配達によく使われていた大谷焼の陶器の醤油甕。

搾り発酵タンクで1年間熟成させた後、いよいよ諸味を搾ります。槽(ふね)と呼ばれる木枠で囲んだ大きな箱に、1m四方の圧搾濾布(ろふ=布状の濾過材)で諸味を包み、四隅を畳んでその上に少し小さめの布を載せます。これを何回も繰り返し、濾布を約300枚重ねると自重により諸味の液汁が自然に垂れてくるのだとか。

搾った生醤油を成分調整した後、最後の工程である火入れを行います。これは加熱することで殺菌、そして色・味・香りを整えたり、酵素の働きを止めて品質を安定させるなどの目的があります。この後に瓶詰めし検査を経て、出荷・販売となります。

直売所直売所敷地内にあるお店では色々なお醤油やお味噌が買えます。月曜日から土曜日までの9:00~17:00までは「蔵見学」が楽しめます。ぜひ「晴海ヶ丘」ご見学についでに鳴門まで足を伸ばしてお立ち寄りください。

●福寿醤油 TEL.0120-866ー140
・鳴門ICからお車で15分ほど(約5.5km)
・徳島県鳴門市大麻町池谷字大石8番地