遊び心

先日、神奈川県小田原を訪ねました。
相模湾に、面した小田原は明治に入ると、全国でも有数の保養地となったそうです。
明治20年代には、伊藤博文、山縣有朋、北原白秋など歴史に登場してくる人々もいました。
その中で、黒田長成(くろだ ながしげ/1867~1939)が造った別荘、清閑亭は小田原城の傍にあります。
夕方、閉館 17:00を過ぎていましたが、係員の方が、気持ちよく内部まで、見せてくれました。

数寄屋造りと庭が見事で、丘から望む相模湾は、昔はもっと今より、近くに見えたかもしれません。
2階の和室に面白い障子を見つけました。普通、雪見障子は下の方から上へスライドするのですが、ここの障子は横へ引きます。
障子の中に更に障子をつけて、視界を額縁の中に収めるあたりは、当時の遊び心に感心しました。